2013年11月13日

万年筆のことをつらつらと


万年筆が好きですわ。


小学生の頃、伊勢市駅前にあった三交百貨店の文具売り場で買ってもらったのか
クリスマスか誕生日かのプレゼントだったか
とにかく叔母が一本の万年筆をくれたことがありました。

今思えば子供用の安い万年筆だったんでしょうね。
メーカーなんかは覚えてませんが
赤いクリアのプラスチックボディーに銀色のペン先
握り部分のペン軸は黒色。

もちろん当時はそれが万年筆かどうかなんて知りません。
交換カートリッジを入れてインクを補充するなんてことも知りません。
カートリッジを入れないから文字の書けないペンでした。

それでもきらきら輝く銀色のペン先や
光が透ける赤いプラスチッククリアボディー
きれいだなぁと思ってました。

何をどうしても書けないんだけど不思議できれいなペン。
僕の万年筆に対する原体験です。

しかし、よく考えてみると万年筆って使いにくい筆記具ですよね。

ペン先が曲がるといけないから落とさないように気を使うし
インクも水性で滲むし。

使わなくてしばらく放っておくとインクが固まって
書けないどころかインク詰まりを起こしたりして下手すりゃ再起不能だし。

だいたい高いし。
高いから余計気を使うし。

今時は書きよくて、安くて、多少手荒に扱っても
きちんと文字が書ける筆記具がたくさんあるのになんで万年筆?


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いやいや、やっぱり万年筆は万年筆ならではの良さがあるんです。

DSC00868.JPG
写真は手持ちのカトウセイサクショ1500シリーズのカレイドスコープとラミーのサファリ

まず第一に字を書く時の紙の上でのすべりの良さと
それについてきてくれるインクフローは
他のどんな筆記具より勝っていると思います。

さささーと文字が書ける感じです。
ほんとにさささーです。

万年筆を握らずに手で支え紙の上で滑らせるだけでも線が書けます。
自重だけで線が引けるくらいのすべりの良さとインクフローです。


また、インクの補充はインク・カートリッジを使う方法と
注射器のようなシリンダー構造になっていて
インク瓶から直接インクを吸引するコンバーターを使う2通りがあります。

コンバーターはカートリッジと同じで
取付口の形や大きさにメーカー間の形の違いはありますが
万年筆はコンバーターはカートリッジと同じように
どちらでもつけられるようになっています。

DSC00867.JPG
上がコンバーターで下がカートリッジ(ショートタイプ)です。
コンバーターの右側(上部)の黒い部分をクリクリすると
中のシリンダーが上下してインクを吸い上げます。

コンバーターを使って瓶入りの万年筆用のインクを使います。
ちなみにメーカーも色の種類も関係なく万年筆用インクならなんでも使えます。
つまり、コンバーターを使えばインクの色は選びたい放題なのです。

例えば色展開の多さで定評のあるパイロットの万年筆インクです。
パイロット・色彩雫シリーズのサイト
いろんな色がたくさんあります。

それに何といっても万年筆を使ってると
文字を書いているときの雰囲気、気分がいいんです。
なんか長文も書きたくなるくらいの雰囲気、気分です(笑)

ちょっと楽しいんです。


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デジタルカメラを持つようになってから
昔のようなフィルムカメラの時に感じた
シャッターを押す緊張感というものがなくなった気がしてます。

デジカメは撮った直後に写した画像を確認できるし何回でも撮り直しできるし。
そういや写真と言わずに画像と言うようになりましたね、最近。
オーバーだけど写真を撮る重みっていうのがなくなった気がします。

だからたまにフィルムカメラを持ち出すと楽しいんです。

万年筆で字を書くことはどことなく
フィルムカメラで写真を撮るのに似ている気がします。
いろいろ気を使うし手間かかるしそれなりに手入れもしなければいけない。

でも手間がかかる分、楽しいんです。
オーバーだけど文字を書くのってこんなに楽しいのか、
と思えることがあります。

ペン先の素材、形なんかでも筆記感が変わってきて
カリカリした硬い感覚のペン先から
ふわっと柔らかい感覚のペン先までいろいろあります。

値段もペン先の素材やボディーの素材によっては
十何万円もするような超高級品もありますが
安いものなら千円くらいのものあります。

この辺は腕時計の世界とよく似てるかもしれません。

使えば使うほど自分になじんできて
筆圧などの書き癖に合った自分だけの筆記具になっていってくれます。
こういう雰囲気の筆記具は万年筆だけ、なんだと思います。


posted by なかのかみてん at 10:01| Comment(0) | いろいろ雑記> 万年筆のお話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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